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勘違いしてません? 
〜沖縄について、本土の人間が持つイメージと現実〜

 私もそうだったのですが、沖縄は観光名所ですし、そして折からのブームに乗って様々な映像が、テレビや雑誌などの様々な媒体を通して、本土の人の目や耳になだれ込みます。
  そのせいか、わりと「沖縄ってこんなところ…」というイメージが先行する土地のような気がします。しかし、私自身が抱いていた沖縄のイメージが、住んでみると実は違ったということが多々ありました。そのいくつかを列挙します。
 
「別にそんなこと思ってないよ」と言う方、すいません。
2ページ目
〜1ページ目〜
1.全員酒豪?
2.冬でも泳げる?
3.食生活について その1
4.物価
5.田舎?
6.女性の肌
7.運転のマナー
8.全員泳げる?
9.私の友人の勘違い
10.夏でも過ごしやすい?
〜2ページ目〜
11.海がとても身近?
12.満天の星空
13.笑点
14.ストレスフリー?
15.石敢當
16.美人が多いイメージ
17.沖縄と鉄道
18.赤字の会社
19.沖縄の方言
20.「アロハシャツ」と「かりゆしウェア」
〜3ページ目〜
21.沖縄と温泉
22.観光客の方の服装について
23.沖縄と魚消費量

11.海がとても身近?
 先日、兄から電話がかかってきました。仕事の合間を縫って、奥さんと二人で沖縄に来ることを考えているそうです。兄はもともとアクティブな人で、ダイビングのライセンスも持っておりますので、弟の私がいるのを幸いとばかりに、沖縄でのダイビングをもくろんだようです。

 その中で兄が私に聞いてきました。
「オマエの家から、(ダイビングができるような)きれいな海まで何分?」
 私は、真栄田岬や、恩納村、または南部の海を想像しましたので、
「うーん…一時間くらいかな。」と答えました。
すると兄は、
「えっ!?そんなにかかんの?」と驚いていました。

  どうやら兄は、沖縄はどこへ行っても、徒歩何分かのレベルで、あたり一面紺碧の海が見受けられると思っていたようです。

  別のところで触れましたとおり、那覇などは本当に都会です。工業用、商業用のもありますし、大きな船舶が停滞もしています。ですからはっきり言って東京湾ほどではないにしても、那覇周辺の海は、普通に汚いです(残念な話です)。
  それこそダイビングシュノーケリングができるような海は、那覇からでしたら、やはり車で小一時間ほど走らせないと巡り会えませんので。


12.満天の星空
 何せ、私はもともと沖縄に興味があった人間ではありませんでしたので(前述の通り、首里城の存在も知りませんでした)、沖縄のイメージは、ただ漠然と、本当に『すごい南の島』でした。

 それで、東京にいた時、沖縄出身の友達に、沖縄のことをあれやこれやと、今考えるととても恥ずかしい質問をしていました。
「沖縄の人って、本当に『めんそ〜れ』って言ってるの?」
「本当に夕食は、その日にモリで突いてきた魚なの?」

馬鹿にしすぎでしたね。私。

 さて、彼としては、何としても「この沖縄にさして興味のない男に、沖縄に興味を持ってもらわねば」と思ったのでしょう、東京の私からすると憧れる沖縄のユートピアぶりを、幾つか脚色して紹介しておりました。そして、それに私はまんまと乗せられていました。

 そのうちの一つが、「沖縄は星空がとても綺麗だ」というものでした。
 「流れ星なんかしょっちゅう見えるよ。
 この言葉に、私がどれだけときめいたことか。

 さて、いざ移住しました。那覇市に居を構えました。
星空なんか全く見えません。東京と大して変わりません。きっと高村光太郎の妻、智恵子を連れてきたらこう言うでしょう。「沖縄にも空がない…」と。

 きっと彼は「沖縄(の田舎の方では)星空がとても綺麗だ」と言ったのでしょうね。多分カッコの部分をものすごく小声で言ったのでしょう。
 
 当たり前ですが、やはり星空を見るには、暗い環境が必要です。もちろん、沖縄の中でも、辺りに照明などが少なく、星空を見るのに都合のいい場所はたくさんありますが、基本的に那覇市近郊では、全く見えません
 でもきっと、離島だとか、北部の山奥に行ったら、本当に満天の星空、見えるんだろうなぁ…。すごいんだろうなぁ…。


13.笑点
 この事実を知ったときには愕然といたしました。このテーマについて、何気ない話から会社の女の子と話していたのですが、仕事中であったにもかかわらず、目を丸くして「ええっ!!本当に!?」と叫んでしまったものです

 沖縄では、日本テレビがありません。事実、その分民放チャンネルが東京よりも1つ、少なくなっております。

 するとどういう事態が起きるか…。

 何と、沖縄では笑点をやっていないのです!!あの、日曜日夕方のアンニュイな時間に流れるカラフルおやじたちの戯れ合いを見ることができないのです!

  ただ、あのカラフルおやじたちが座布団にひざまずきして並んでいる、あの余りにも有名なビジュアルは、どこかで見たことはあるらしく(他局でもパロディしたりしてますしね)、「…まぁ、そのシーンは見たことありますけど…」とは言ってくれるのですが、どうもピンとこない様子。

焦る私「…え、え、じゃあじゃあ、この音楽は? ♪チャッチャラ チャラララッ チャッチャッ(パフッ)♪」
女の子「…まあ、聞いたことはありますけど…」
何と!あの音楽を聴いても、頭が笑点モードに切り替わらないということがあるのか!!

焦り続ける私「じゃ、じゃあ…『山田君!座布団一枚』って何のことか分かる?」
女の子「え?山田君?誰ですか、それ。あ、でも『座布団一枚』って聞いたことはありますよ。」
 ええええ!!あの子作り山田隆夫を知らないなんて!!!でもさすがに『座布団一枚』というフレーズは聞いたことがあるらしいのですが、その子に関して言えば、その語源が笑点であることを知らなかった様子!!衝撃でした。

 笑点を知らないということは、上記に加えて次の話をしても全くピンとこないのです(最近はメンバーも変わってきているようですね)。

歌丸 → 肩で笑うハゲキャラ。いつも「もうすぐ死ぬ」とか「フジコ夫人」ネタでいじられる。
楽太郎 → 腹黒キャラ。歌丸と罵り合っている。
木久蔵 → 黄色のアホキャラ。まずいラーメン屋さん経営。
こん平 → 故郷はチャーザー村。「喰っちゃえばいいんです。」「チャッラーン!!

…すいません。沖縄移住生活のサイトが、何をムキになって笑点の話をしているのでしょう。失礼しました。
 でも、もちろん本土の人も「別に笑点なんて見てないよ」って言う人はたくさんおりますが(私だって見ておりません)、『笑点』というこの単語と、そのイメージが結びつかないということがあることに、愕然としたのでした。

 オホン。…ところが、この話をしていましたら、面白い事実も浮かび上がってきました。先ほどの話は20代前半の女の子としていたのですが、そこに30代前半の男性が入ってきましたら、「俺は知ってるよ」と言ってきたのです。何でも、昔は放送してて、「親父が見ているのを俺も見ていた」そうなのです。
 確かに、日本テレビの番組の人気のあるものは、沖縄で他系列の局が放送したりしています。その流れで、昔は沖縄でも笑点を放送していた時代があったそうなのです。

 これを書いている今、私は自分に疑問を抱いております。「何で、『勘違いしていませんか?』のコーナーに書いていたんだっけ…。」
 そして今思い出しました(本当か?)。「本土の皆さん!『笑点』という一文化は、全国共通だと思っていませんか!?

 もし、沖縄以外でも笑点を知らない地区がありましたら、是非教えてください。私も根本的に考えを改める必要があるかもしれません。


14.ストレスフリー?
 近年、世界中で「心の病」が話題として取り上げられ、ようやく問題視されるようになって来ました。以前ですと、心の病を持つ人に対して、「そんなの気の持ちようだよ」とか、「大丈夫だから元気だして!頑張って!」というような、もちろん善意からきてはいるのですが、なかなか理解を示すことのできない対応がなされていましたが、最近では体の病気と同じように、治療と休養が必要な一つの病気であることがようやく認知されてきております。

 うつ病などの問題を抱える方も急増しているそうで、「心の風邪」とも言われ、誰しもがかかりうる病気であることを私たちに訴えております。

 さて、ここ沖縄ではどうでしょうか。サンサンと照り輝く太陽、長い日照時間、のんびりとした風土、浅黒く日焼けした人懐っこい笑顔、「なんくるないさ〜(なんとかなるよ)」、まるで心の病とは無縁そうな土地です。「沖縄にはそんな問題はないだろう」と思われますか?

 近年、この心の病が沖縄でも問題になってきております(自殺率が意外と高いことは別のところで触れました)。
 県のデータによると、県内の精神科医への通院者は年々増えており2004年の6月の時点で約2万9千人が、通っているそうです。そしてそのうち、約4分の1がうつ病患者と認定されております。すでに入院されている患者さん約5300人と合わせると、なんと県民の約40人に1人が精神科を利用していることになるそうです。

  ところが、会社等での防止策やケアは遅れており、ある会社へのアンケートによると、回答した会社のうち75・1%がメンタルヘルスケアに「取り組んでいない」と答えたそうです。
 会社員が抱えるストレスの原因は、1位が「職場の人間関係」2位が「仕事の問題」だそうです。結局は「コミュニケーションの希薄化」が問題の根底にあるとか。

 女性も、共働きが多い沖縄社会では、働きながらの育児や介護でのストレスも多いのではないでしょうか。
 …そうなんです、沖縄も、結局本土と同じストレスを抱えて悩んでいるのですね。全く同じストレスの原因ではありませんか!

 今人間関係で苦労されている方で、「沖縄に行けば大丈夫、癒される」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、結局沖縄も同じ問題で今悩んでいるのですね。

 やはり、メンタルヘルスのケアが大幅に遅れている沖縄は、社会としてメンタルケアをして支えていくことが課題であるのと同時に、そこのご主人、奥さんのケアもお忘れなく。


15.石敢當(いしがんとう)
 これは、他でもない私の勘違いだったのです。

沖縄でよく見かける石巌當。 沖縄では、色々なところに、「石巌當」と書かれています。そのほとんどが建物の入口や門の近くに書かれていたので、てっきり私は、「この家が石巌當さんなんだ」と思っておりました。そして、そのような家や建物が余りにもたくさんあるので、「沖縄って、大城さん、比嘉さんだけではなく、石巌當さんもたくさんいるのだ」と勘違いしておりました。

 そして、それは私だけではなく、本土から引っ越してきた別の人も、やはり最初はそう思ったと言っておりました。しかしそれにしては、いつも下の方に置かれているので、ずいぶん控えめな表札だな、と思ったものです。
 そしてある時、ああ、これは本土で言うところの『定礎』みたいなものだな、と思いなおしたのでした。

 しかし!!
 それすらも意味合いとしては間違っていたことを最近知りました!!

 本土の定礎には、辞書で調べると次のような意味があるそうです。「建築の着工に際して礎石を据えること。建築工事を始めること」。
 ですから、何月何日に着工しましたよ、という記念碑的な意味合いがあるのです。

 それに対して、石巌當はどちらかと言うと魔除け的な意味合いがあるそうです。辞書によると、「街を徘徊する魔物は、真っ直ぐに進む特性を持つため、T字路や三叉路にぶつかると向かいの家に入ってきてしまうと信じられている。そのためそれを避けるために、あらかじめ魔物が入ってきてしまいそうなところに、表面に「石敢當」と漢字で書かれた石碑を建てたり、石版を壁面に貼り付けることで魔よけとする」のだそうです!
 驚きでした。魔物は光と同じ直進性を持つとは。もしかすると回折や干渉もするのかもしれませんね。

三叉路の突き当たりに発見!! いずれにしても、確かに注意してみていると、この石敢當、確かに建物だけではなく、三叉路の突き当たりにけっこうあるのです!!
 本土の皆さん(聞いた話では、九州には石敢當があるとか?)、石敢當は人の名前でも、定礎でもなく、魔除けなんですよ!!

 でも、それが分かってからというもの、けっこう街を歩いていてこの石敢當を見つけるのが楽しくなりました。


16.美人が多いイメージ
 たまに東京に帰って友人と会いますと、男性からは、「沖縄って美人多くていいね」とか、女性からも「沖縄の女の人の顔、憧れる」とか言われ、うらやましがられます。

 確かに、顔の作りが違う上、『沖縄』という(ある人にとっては)未知の異文化から来たことも手伝って、ちょうど外国人に抱くような『ものめずらしさから来る魅力』と言うのもあるのかもしれません。
  また、沖縄の女性は元々が“しっかりした顔”なので、「化粧を落としても無敵」みたいなものもあり、そこらへんも本土の女性に憧れられる部分なのかもしれません。

 さらに、芸能界でも多く沖縄出身の美女が活躍しており(芸能人全体との比率で言えば、単純に人口比にほぼ比例しているのだとは思いますが)、イメージとしては『沖縄の女の人は美人』というものがあるような気がしますが、みなさんはいかがでしょうか。

 さて、以前読んだ文献で、「日本中の男性(主にビジネスマンや引越しの経験の多い人)1000人に、『あなたが思う、美人の多い都道府県はどこですか』を答えてもらったアンケート結果」がありました。そう、あくまでもイメージでいいのです。日本全国、津々浦々を飛び回ったり、引っ越したりしたビジネスマンや男性が、「あ、この県美人が多いなぁ」と思った感想を集計したのです。
 しつこいようですが、あくまでもイメージですので、実際にはどうかは別次元の話です。さて、その結果ですが…。

1位:秋田県 28%
 でも確かにイメージとしては完璧に出来上がっていますよね、秋田美人。実際統計でも、「平均脚の長さ1位」「平均胸囲2位」「人口に対する美容室の数1位」とかだった気がします。…いいですね、秋田(なのに自殺率も1位だったりして)。

2位:東京都 25%
 これもイメージとしては確かにそうかもしれません。何せ一流企業など、「綺麗どころ」をズラッとそろえますしね、その本社が集中している東京情報・文化の中心東京、センスも磨かれるのかもしれません。
 でも東京に関しては何せ人数がすごいのですので、旅行で東京に行った人の感想も2つに分かれるような気がします。「東京、やっぱり綺麗なお姉さんばっかり!」。かと思えば、「東京って綺麗な人いないね。」という声も聞きます。要するに『その旅行者が誰を見たのか』に左右されるのでしょう。
 私の個人的な意見なのですが、東京(というよりも都市部)には、いつまでも綺麗な奥様が多い気がします。『枯れない』というか『頑張っている』というか…。

3位:福岡 19%
 実際芸能人も多数輩出していますしね。あと博多弁が可愛いとか。「男を立てる」部分にひかれる人も多数いるそうです。

 さてさて、では沖縄は?北は北海道、南は沖縄まで飛びまわった男性たちは、沖縄の女性を見て美人と思ったかどうか(ビジネスマンの方は、いいから仕事してくださいね)!

 沖縄は13位だったそうです。約5%の男性が「…そうですねぇ、美人が多かったのは沖縄ですかね。」と答えたようです。
 理由は「彫が深い」「目鼻立ちがはっきりしている」「日焼けが可愛い」などがあったとのことです。確かにそうですね。本当に彫が深く、すごい目力!

 全都道府県中、13位という成績を「すごい!」と思われたか、「なんだ、そんなものか」と思われたかは人それぞれだとは思います。
 でも沖縄の女性、綺麗な人は本当に綺麗ですよ。何せ「ミス・ユニバース2006」の日本代表は沖縄県那覇市出身の方ですし、2007年4月からの「NHK朝の連続テレビ小説」の主役は沖縄県出身の方です(舞台はなぜか岩手)。

 さて、最後に、なぜ私が「勘違いしていませんか」のコーナーにこの記事を載せたかと言いますと、興味深い点として、このアンケートで男性が「美人」と答えた理由の多くに、「…県の女性は〇〇なところが可愛い、素晴らしい」と言う風に、性格や気質を挙げておりました。
 女性の皆さん、男性を代表して言わせてもらいますが、男性は女性を見るとき、決して「外見が美人かどうか」だけを見てなんかいませんよ(でも男はいろいろな意味で馬鹿、単純なのかも…)♪

 …『上から目線』で失礼いたしました…。


17.沖縄と鉄道
 2003年、那覇空港〜首里モノレール(ゆいレール)が開通し、観光に、市民の足に改変がもたらされました。

 別のところで、沖縄は徹底した車社会である旨をお話させていただきました(徒歩や自転車すらあまり使われません)。もちろんその通りですし、今後もこの傾向が変わるとも思えません。


 さて、ややもすると、「ゆいレールが開通するまで、沖縄って電車(鉄道)を経験したことがないんだな」と思われがちですが、実は沖縄にも鉄道が走っていた時代がありました。

 第二次世界大戦前の1914年、那覇〜与那原(東海岸)を、つまり沖縄の南部を横断する『与那原線』が開通。さらに、今度は那覇〜嘉手納を結ぶ縦長の『嘉手納線』が、そして1923年には、今度は那覇から下に伸びる、那覇〜糸満を結ぶ『糸満線』が開通しました。
 これらは皆、国鉄でも私鉄でもなく(もちろんJRでもなく)、沖縄県が運営しており、通称「軽便」と呼ばれていたそうです。
 そして、市民の足としてはもちろんのこと、貨物輸送にも大きな力を発揮し、1926年には年間の輸送人員が100万人を超えたそうです。


 そして戦争が始まりました。その際、こうした鉄道の交通機関はすべて破壊されてしまったそうです。そして、沖縄を占領した米軍は、沖縄を軍用に用いやすい島として管理することにしたため、軍用道路として道路の整備は急ぎましたが、市民の足としての鉄道の復旧は一切行いませんでした
 そのうち、バス網が整備され、そして住民の足として車が用いられるようになると、まったく鉄道敷設のプランはなくなってしまいました。厳密に言うと、何度か鉄道復帰の構想は持ち上がったらしいのですが、国鉄の赤字問題などが障害となり、今に至っております。

 沖縄でも鉄道が活躍していた時代があったのですね。

2006/9/10更新:
 興味深い話を聞きました。
  確かに、「沖縄本島では戦後、鉄道が復旧することはなかった」のですが、実は離島では戦後も鉄道は活躍しておりました。それは、南大東島で、サトウキビ輸送のために敷設されたもので、その線路の名前も、「シュガートレイン」だそうです。
軌道延長は約30km、サトウキビのほか人間も便乗扱いで載せていたそうです。

 第二次世界大戦のとき、米軍の空襲や艦砲射撃により、この鉄道も破壊されましたが、戦後は1950年(昭和25年)に発足した大東糖業が鉄道を復旧し、再び鉄道によるサトウキビ輸送が行われるようになりました。しかし、1983年(昭和58年)春の製糖期を最後に鉄道の使用は中止され、以後トラック輸送に取って代わられたそうです。

 意外や意外、本島よりも、離島の方が鉄道が活躍していたのですね。

※カッキーさん、メールで直接ご教示くださり、ありがとうございました!


18.赤字の会社
 今回の記事は「沖縄データ」に載せてもよかったものですが、私が「え?勘違いしてた!」と思ったネタでしたので、こちらで紹介させていただきます。

 さて、余り楽しいネタではないものを何度も蒸し返すようで、しつこくて恐縮なのですが、沖縄は失業率、平均所得が全国でダントツで1位です。
 つまり、働く場所がなかなかない上に、ようやく見つけても給料が非常に低い。ここらへんが、横のつながりを全く持たない、本土からの移住者にとっての最大の障壁かもしれません。

 さて、このようなデータを目の当たりにしますと、ややもすると「そうかぁ、沖縄って会社の業績もよくないんだなぁ」と思ってしまうと思います。

 しかし、先日の新聞に、またしてもビックリするような記事がありました。
なんと沖縄、「赤字法人率」、つまり存在する会社(別に会社法人だけではないでしょうが)に対する、赤字の会社の割合が、なんと2年連続で最少だったそうです!!ものすごく平たく言えば、「赤字の会社が少ない」のです。

 私個人はとてもビックリしたのですが、みなさんはいかがですか?経営がうまいのでしょうか。人件費を極端に下げているからでしょうか。社員の福利厚生に金をかけないからでしょうか(けっこうひどい話も時々聞きます)。

 記事中にあったのですが、この要因について東京商工リサーチの沖縄支店は、「赤字決算だと公共工事の落札が難しくなる建設業者の割合が、沖縄は全国に比べて高い」からだそうです。…恥ずかしながら私、正直言ってこの意味がよく分からなかったのですが…、どなたか解説していただければ本当に幸いです。

 そして法人企業の倒産発生率も、全国平均よりも低かったです。赤字の会社も、つぶれる会社も、全国的に比べれば沖縄は少ないということです。

 沖縄は、求人数も給料も低いのに、意外や意外、会社の経営と存続性は健全だったようです。…ホントかなぁ!?色々なところで個人商店や飲み屋ができては消えていく気がするのですが。あ、「個人」だからか!?「法人」は残り、「個人」は消えていくのか!?

 しかし沖縄、本当に意外なデータ(失礼?)があるものですね。
 本当に余談ですが、今まで扱った内容で、私がビックリしたデータベスト3をこちらで改めてご紹介させていただき、今回の記事を〆させていただきます。

1.酒の年間購入額 全国最下位
2.若年層の未婚率 全国ベスト5入り
3.DV(ドメスティック・バイオレンス) 非常に多い


19.沖縄の方言
  色々なところで触れてきましたが、沖縄は昔からその地理的条件が手伝って、さまざまな国の影響を受けてきました中国、台湾、インドネシア、そしてアメリカ、日本

 中国のように旧暦を祝う習慣があったり、「弥生系」と言われる本土の人間に対して「縄文系」と呼ばれるDNAだったり、ややもすると、いい意味でも、「沖縄はやっぱり『外国』だねぇ」なんて思われがちかもしれません。

 しかし、文化を形成する上で非常に大事な言語については、沖縄は立派な(?)日本語の一つの流れであることが分かっております。

 つまり、琉球方言(琉球語)は、間違いなく日本の方言の一つということです。琉球方言は、日本語が地域的に変化したもので、アイヌ語や中国語とは言語の系統がそもそも根本的に違うのです。

 人によっては、「ええ?こんなに違うのに?」と信じられないかもしれません。ですが、琉球方言は本土の方言、特に九州の方言と似ている点がたくさんあります。さらに古い時代の日本語ともつながっているそうです。

 一例として「」。 琉球方言でも九州方言でも「クスイ」と呼び、語尾の『リ』が『イ』になる読み方。

 また「」を九州や琉球では「ケイ(ケ)」と呼び、『ai』が『e』になったり。

 「きのこ」を『ナーバ(ナバ)』と読んだり。「」を『バル』と読んだり。

 似ているのは九州とだけではありません。琉球方言で魚のことを『イユ』とか『ッユー』とか言うそうですが、全国各地の方言でも『イヨ』とか『ヨー』とか呼ぶ地方があるそうです。言語学者いわくは、古代日本では魚のことを『イヲ』と読んでいたそうです。

 このように、ややもすると「沖縄は外国だよねぇ…。もうルーツが違うんだよ」とか思われがちですが、こと言語においては、しっかりと『我らが日本』だったのでした。

 そしてもう1点!

 今琉球方言を幾つか書かせていただきましたが、別に沖縄の人がみんな、これを使っているわけではありませんお年寄りくらいではないでしょうか(実際、沖縄の若い人でも「オジィ オバァ が方言をしゃべると全く分からない」という子がほとんどです)。


20.「アロハシャツ」と「かりゆしウェア」
 沖縄では、暑い夏を過ごしやすくするため、幾つかの工夫がなされています。

 そのうちの一つが夏のビジネスシーンの服装です。沖縄では一部の会社を除き、公式のビジネスシーンでも、「かりゆしウェア」と言う、開襟シャツの着用が認められています。スーツでなくてもいいのです。

  官公庁銀行でも、男女共に皆、この開襟シャツを着ております。私も着ております(自他共に「似合わない」事を認めておりますが)。
 本当に、見た目にも、そして実際にも涼しげで、夏が過ごしやすくなっております。

 さて、この事実を受けまして、たまに東京に帰りますと、友人から「本当に沖縄って、仕事の時もみんなアロハシャツなの?」と聞かれます。

 とても厳しく採点すれば、これに「YES」と答えるのは100点ではありません。なぜならば、素人目には酷似していても、『アロハシャツ=かりゆしウェア』ではないのです。

 「かりゆしウェア」は2000年の沖縄サミットの際に、完全にその立場を確立しました。「かりゆしウェア」の定義は次の2つです。
1.県産品であること 
  ※沖縄県で作られたものでなければ「かりゆしウェア」を名乗れません。外国の工場で大量生産したものは「かりゆしウェア」にはなりえません。
2.沖縄らしさを表現したもの
 ※何とも曖昧な部分ですが…。しかし、トロピカルな絵柄のアロハシャツに比べ、落ちついた絵柄、パターンのものが多いです。

 また、“ちゃんとした”「かりゆしウェア」は、アロハシャツに比べてとても高価です。

 さて、沖縄のいいところというかテーゲー(適当)なところは次の点です。
 「では沖縄の人は仕事の時、『かりゆしウェア』を着るのか」というと、必ずしもそうではないのです。 「アロハでも全然オッケー。ていうかとりあえず襟があれば何でもオッケーよ。」
 実際、今私が仕事で着ているのは、2着は「かりゆしウェア」ですが4着はアロハシャツです。

 ですから、先ほどの質問、「本当に沖縄って、仕事の時もみんなアロハシャツなの?」については、
 「『みんな』がアロハシャツというわけではない」となります(理屈っぽいなぁ…)。
 アロハシャツの人あり、かりゆしウェアの人あり、その他襟付シャツの人あり、そして一部スーツの人あり。



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